6月のスタイルクラスでは、「静けさを束ねる」をテーマに、紫陽花を主役としたブーケを束ねました。
梅雨の季節は、雨に濡れた紫陽花や深い緑がひときわ美しく感じられます。
今月のレッスンでは、紫陽花そのものを表現するのではなく、その向こうにある風景や空気感に目を向けていただきました。

イメージしたのは、モネの睡蓮などの印象派の絵画です。
印象派の画家たちは、目の前の風景を正確に描くことよりも、その場で感じた光や空気、心に残った印象を大切にしました。
「紫陽花のブーケ」を再現するのではなく、紫陽花を見たときに感じる静けさや湿り気を帯びた空気、雨の日の穏やかな時間や風景を思い浮かべながら束ねていただきました。
レッスンの前半では、束ねる際のポイントや花材の扱い方をお伝えしました。

今回の紫陽花は茎が太く、花も大きいため、いつものブーケ以上に手に重みがかかります。
軸の作り方や高低差のつけ方など、最低限必要な技術を確認してからスタートしました。
実際に束ね始めると、今回印象的だったのは皆さんの手の動き。
「森を歩きながら気に入った枝や花を摘み、そのまま腕に抱えるように束ねる。」
そんなイメージをお伝えすると、花材の形や枝ぶりを無理に整えようとするのではなく、それぞれの個性を生かしながら自然に束ねることができました。

ブルーベリーの伸びやかな枝。
紫陽花の豊かなボリューム。
クレマチスの軽やかな動き。
それらが窮屈になることなく、一つの風景としてまとまっていきました。
今回は紫陽花の重さもあり、ブーケを支える手が疲れてしまいます。
それでも皆さん、軸を上手に使いながらブーケを支え、それぞれが思い描く景色を最後まで形にすることができました。

完成したブーケはどれも違う表情を見せてくれました。
静かな雨の日を思わせるもの。
庭の緑を感じるもの。
風が通り抜けるような軽やかさのあるもの。
同じ花材を使っていても、そこに現れる風景は人それぞれです。

テクニックはもちろん大切ですが、それだけでは生まれない美しさもあります。
必要な技術を身につけた上で、自分が感じた風景を信じること。
今月のレッスンは、その大切さを改めて感じる時間となりました。



