2026年5月スタイルクラス 芍薬とベル・エポック

5月のスタイルクラスのテーマはBelle Époque(ベル・エポック)。

フランス語で「美しい時代」を意味する言葉で、19世紀末から20世紀初頭にかけて、花や音楽、オペラ、ダンスなど、芸術と娯楽が溢れていた華やかな時代のことを指します。
ムーラン・ルージュやオペラ・ガルニエ、ミュシャのポスターのような少し浮かれた祝祭感。
人々は、美しいものを全力で楽しんでいました。

今月は、そんなベル・エポックの空気を、旬の芍薬を通して楽しむレッスンでした。

使用したのは、コーラルチャーム、バードゼラ、ナンシーノラ、エッジドサーモン、サラベル、オールドローズダンディーなど、今が旬の芍薬たち。

ここまで多品種の芍薬を一度に手にする機会はなかなかありません。
「こんな芍薬があるんですね!」
「芍薬とは思えない香りですね!」
生徒さんたちも、それぞれの色や形、香りの違いをじっくり観察しながら束ねていきました。

芍薬に合わせたのは、この季節ならではのリョウブ。
そして軽やかさを添えるヤグルマソウやニゲラ。

そして、今回の色合わせはパステルカラー。
「こんな色同士を合わせても大丈夫かな?」
と思うような組み合わせでも不思議と調和し、芍薬の華やかさを柔らかく包み込んでくれます。

レッスン中、気温の上昇とともに、芍薬は少しずつ開花していきました。
アトリエに入った時と、束ね終わる頃では、花の大きさがなんとなく違う。
気温や光に反応しながら咲き進んでいく芍薬。
その瞬間ごとに移ろう美しさを味わえるのも、生花の魅力です。

今回使用した芍薬は12〜13本。
実際に束ねてみるとかなりの重さがあります。

腕に負担がかかりながらも何度も束ね直しながら、
「どの芍薬をどう見せよう?」
「この曲がった茎をもっと生かしたいな♪」と、
自分の感覚を頼りに思い思いのブーケを作る姿がとても印象的でした。

芍薬は、開花すると驚くほど早く散っていく花です。
だからこそ今回は、お花屋さんで買うには少し躊躇してしまうような、しっかり開いた芍薬もあえて使用しました。

持ちを優先するのではなく「今、一番美しい瞬間」を味わう。
それは、今回のテーマであるベル・エポックの感覚とも重なります。

後のことを考えすぎず、今を楽しむ。
香りや色彩、高揚感を味わい尽くす。

そして、自分が「美しい」と感じる感覚を、自由に束ねていく。

もちろん、自由に束ねるためには、ブーケの基本的な構造や技術は欠かせません。
その土台があるからこそ、感覚や“好き”を自由に表現できる。

花を通して、そんなことも感じられる時間になっていたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

KOLME姉。東京都出身。幼い頃より日本舞踊から茶道、華道を習い、日本の伝統美に触れる元・三味線奏者のパリスタイルフラワーアーティスト。責任感が強く面倒見の良い親分気質、思い立ったら即行動の情熱家。好きなものは、美容・宝塚・JALマイル計算。