「森に咲き乱れる草花を表現する」パリスタイルアレンジメントでは、花だけでアレンジメントを完成することはありません。必ずグリーンの葉や枝を用います。
とはいえ花と同じく、色も形も多種多様なグリーンをどのように選び、組み合わせたらよいか迷ってしまいますよね。
そこで、パリスタイルフラワーアレンジメントにおけるグリーンの役割、選び方、花との組み合わせ方について、基本的なポイントをご紹介します。
そもそもグリーンとは?
グリーンとは、草、新芽、若葉など、いわゆる「緑色の草木」を指します。おおぶりな木の枝は「枝もの」と呼ばれます。
KOLMEでは「緑色の草と、花ばさみで切れる太さの緑色の枝はグリーン」と捉えていますよ。
グリーンの役割
動きを生み出す
花はグリーンと比べると、先端が丸みを帯びています。丸い素材は、作り手の思い通りの輪郭を描くことができますが、左右対称、規則的になる一面があります。
しなやかに揺れる蔓、まっすぐに伸びる若葉など個性豊かなグリーンを入れることで、輪郭に「高低差」が生まれ、アレンジメントに自然な動きを演出できます。
空気感を出す
アレンジメントの中でも特にブーケは一方向に茎を重ねるため、花だけで束ねると、隙間のない一つのかたまり状態になりがち。曲がった枝や左右に広がる葉などを使うと、花と花の間に空間が生まれ、空気感が出ます。
花を馴染ませる
・明るさの似た花どうしを組み合わせると、メリハリが出ない。
・明るい花と暗い花どうしを組み合わせると、色の差が激しくて落ち着かない。
・鮮やかさの似た花どうしを組み合わせると、色がぶつかり合ってしまう。
・質感やテイストの違う花どうしを組み合わせると、雰囲気が合わない。
グリーンには、花と花の色を引き締めて立体感を出したり、質感の違いを馴染ませる効果があります。
グリーンと花を組み合わせるときのポイント
選び方
大きめの葉(レモンリーフ、ドラセナなど)よりも、先端に向かって形がすぼまっている小さめの葉のほうが使い勝手が良くておすすめです。
赤み、青み、色味…。花のトーンに合わせると自然にまとまります。
花との割合
アレンジメント全体を100%に対し「花60%:グリーン40%」の割合で組み合わせます。
アレンジメントのコツ
アレンジメントを作るときは、全体にまんべんなく散らす。一箇所に偏らないことが大事!葉っぱの先端を「出しすぎかな〜?」と不安になるくらいに出して、アウトラインに凹凸をつけてくださいね。
代表的なグリーン
ユーカリ
ユーカリは一年を通して近所の花屋さんで入手しやすいグリーンの代表です。お庭に植えている方もいらっしゃいますよね。
鮮やかすぎないグレイッシュな緑色は、合わせる花を選ばないため、はじめてパリスタイルフラワーのアレンジメントを作る方におすすめです。
ドライになっても可愛いユーカリ
グラミネ
グラミネ(graminée)とはフランス語で、「イネ科に属する植物」の総称です。
その解釈が拡大し、細長い軸の周りに葉や花、実がまとまって生えている形状(穂の形)をした花材は「グラミネ」と呼ばれるようなりました。書道の筆や、←(矢印)のかたちにも似ていますよね。
イネ、アワ、ススキは見た目のイメージから想像できますが、竹もイネ科なんですよ。
猫じゃらし(バニーテール / 和名:エノコログサ)
ハーブ
ハーブ(herbe)も頻繁に登場するグリーンです。活発な気分、さわやかな気分、リラックスした気分、ロマンティックな気分など、ハーブの香りによってアレンジメントに心理効果(アロマコロジー)をもたらします。切り花のハーブは食用ではないので、口に入れずに香りだけ楽しんでくださいね。
バジル(この花材を使うレッスンは、アトリエ中がピザの香りで包まれるのでお腹が空きます……)
まとめ
一般的なフラワーレンジメントでは、存在感の薄いグリーン。パリスタイルフラワーアレンジメントでは、花とグリーンの位置付けは同じなんですね。
グリーンを知るほどに作品の幅が広がりますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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