普段は意識せず使っているのですが、ふとした時にその良さをじわじわ感じるドイツのデザイン。
丈夫で長持ち、シンプルな機能美であふれた製品づくりの源流は、バウハウスという学校にありました。
バウハウスの開校100年を記念した展示が開かれているというので、東京ステーションギャラリーまで行ってきましたよ〜。
バウハウスとは
1919年、ドイツのワイマールに開校した造形学校です。
1933年に閉鎖されるまで13年という短い活動でしたが、現在にいたるまでアート、デザインの分野で多大な影響を与えています。
この展示は、バウハウスで造形の基礎を教えていた、クレーやカンディンスキーをはじめとする時代を代表する優れた芸術家たちの授業と、その成果を紹介しています。
クレーの授業
クレーの授業では、彼の美術理論や思想が講義されました。
展示されていたのは人体や図形についての実習で生徒が取ったノート。
これがですね、物理の授業ですか?と言いたくなるものでした。
授業の終わりに出される次回の実習課題というのが紹介されていました。
これがですね、、、なにを言っているのか全然わかりませんでした。
バウハウスの生徒はそんな難題と向き合っていたんですね…。
カンディンスキーの授業
分析的デッサンという授業が紹介されていました。
この授業では、脚立と机、椅子を並べて、その上にバスケットやテーブルクロスを配置した1コーナーを描きます。
見たとおりの静物デッサンではなくて、絵の構成の中にある緊張関係や基本線を抽出するのだそう。
目の前のこの物の組み合わせに緊張とか、基本線とかあるの?
わっかんないなあ…。
見えないものを見えるようにするために、面白い授業をするんですね。
あの授業があったから、今のデザインがある
2年目の授業では生徒それぞれ専門分野の工房に移り、ものづくりに携わります。
芸術家による基礎教育が、金属、陶器、織物、家具、印刷・広告、舞台、建築に広がっていったことが伺えました。
インテリア雑誌などでたびたび見かけるバルセロナチェア(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエはバウハウスの三代目の校長)、ネフ社のおもちゃ、フォントのFUTURAなどなど、今も息づいているってすごいなあ。
いや〜、基礎を学ぶって大事ですね。
東京駅丸の内駅舎に位置する東京ステーションギャラリー。
五角形の階段の中心には葉っぱのシャンデリア、窓の一部はお花のステンドグラスになっています。
階段を取り囲むのは、1914年の創館からのオリジナルレンガ。
2階展示室とミュージアムショップをつなぐ回廊からは、丸の内北口が一望できます。
まばらな人出はいつものお盆の風景とは違っていました。
東京駅に来たらランチはこれに決まり!線路を挟んで向こう側・八重洲地下街のエリックサウスのミールス。
展覧会の詳細はこちらからどうぞ
>>>開校100年 きたれ、バウハウス―造形教育の基礎―