KOLME流フラワーアレンジメントの基礎のお話、今日の主役はふんわり丸くて黄色い小花「ミモザ」です。
※KOLMEではフラワーアレンジメントとは、「お花を組み合わせて、ブーケやコンポジション(いわゆるアレンジメント)、投げ入れ(一輪挿しのような花瓶に活けること)などの形を作り、空間に配置すること」と捉えています。
春の訪れを告げる花 ミモザ
綿のような黄色い小花がロマンチックな印象のミモザ。
眺めているだけで、心までほんわか温かくなりますね。
春を象徴する花として世界各地で愛され、ミモザ祭りやミモザの日が設けられるほどです。
ミモザとアカシアの違い
この違いを知る鍵を握るのが3つの植物。「オジギソウ」「フサアカシア」「ギンヨウアカシア」
・「ミモザ」とは本来、「オジギソウ」のことを指します。
・その昔イギリスでは、葉や花の姿が「オジギソウ」そっくりな「フサアカシア」が”mimosa”と呼ばれていました。
・フランスでは「フサアカシア」が「ミモザアカシア」と呼ばれ、短縮されて「ミモザ」と呼ばれるようになりました。
・日本では「フサアカシア」よりも背の低い「ギンヨウアカシア」が庭木として広まりました。
現在では「ミモザ」というと、「フサアカシア」と「ギンヨウアカシア」を指すのが一般的です。
アカシアには、600種が分類され1000品種あるといわれています。
シンジュバアカシア(パールアカシア)
スモーキーグリーンの葉は丸くてかわいらしい。茎は柔らかい。
ギンヨウアカシア
濃い緑色の葉は短くて固い。シンジュバアカシアと比べると、茎が固くしっかりしています。
初めてミモザのリースを作る方はこちらが扱いやすくておすすめです。
お料理にも登場するミモザ
その色と形から、お料理の名前にもしばしば現れます。
例えば、ミモザサラダはサラダにトッピングされたゆで卵の黄身から。
カクテルのミモザは、ミモザにそっくりなオレンジジュースの色から。
正式名称の「シャンパーニュ・ア・ロランジュ」よりも広く知られています。
3月8日のミモザの日に食べられるミモザケーキは、細かくカットされた黄色いスポンジケーキの装飾から。
卵やオレンジなど黄色い食材が身近にあるからこそですね。
ミモザの花言葉
ミモザの花言葉は「秘密の恋」「友情」「優雅」
かつてネイティブ・アメリカンたちが愛の告白としてこの花を使っていたことから、
胸の内に秘めた恋心を表現して「秘密の恋」という花言葉がもつようになりました。
このの花を贈られた人は幸せになれる「幸せを運ぶ花」としてヨーロッパでは親しまれています。
ミモザ祭りやミモザの日には通りにミモザ売りが現れ、お祝の花として大人気になったりもするんですよ。
ミモザのブーケで基礎をしっかり押さえる
庭木として植えられていることも多いので、開花シーズンには枝をカットしてブーケを作ってみましょう。
ミモザについての基本は下記の3つです。
基本1.ミモザはこう選ぶ
ミモザのつぼみは咲きにくいので、ふんわり開いた花が多い枝を選びます。
風に当てると花が落ちてしまうため、保管場所は風が当たらないように気を付けてください。
ミモザだけのブーケはもちろん、ラナンキュラス、チューリップ、スイートピー、ユーカリなどと組み合わせてもチャーミングです。
基本2.準備で仕上がりが変わる
ミモザだけで使うのか、他の花と組み合わせるのかによって、工程が変わります。
どんな仕上がりのイメージにしたいか決めてから準備に入りましょう。
- ミモザだけでブーケを作る場合
葉を使う→緑が混ざったナチュラルな雰囲気に仕上がります。
取り除く→黄色一色のモダンな雰囲気に仕上がります。 - ミモザと他の花材と合わせてブーケを作る場合
葉のない方がミモザの本来の黄色がアクセントになり、ブーケ全体が丹精にまとまります。
どちらのブーケを作るにしろ、束ねるときに手に持つ位置にあたる花や葉は取り除いてください。
他の花材も同じように下準備(ネトワイエ)して余計な葉を取り除きます。
こうすることでブーケの色と形を整えやすくなり、茎が重なる軸部分の蒸れも軽減します。
このネトワイエはどのフラワーアレンジメントを作る時でも基本中の基本となります。
下準備ができたら、使うお花が一目で全て分かるよう、花材別に並べ、結束用の紐を用意します。
枝がピンと伸びたフレッシュなブーケを作るには、しおれる前に作業を終わらせるスピードが肝心です。
基本3.主役を引き立たせるように
他の花と組み合わせて使う場合、ミモザは脇役になります。
ミモザの花が全体にまんべんなく見えるように配置しましょう。
長い枝を1、2本、横や下に垂らすとワイルドな存在感が生まれます。
ミモザは1本の枝からたくさんの花が付いているので、束ねる時は絶えず他の花材とのバランスをチェックしてくださいね。
まとめ
・開いた花が多いものを選ぶ。
・作るブーケに合った下処理を行う。
・脇役で使うときは花をまんべんなく散らす、長い枝を垂らしてはしっかり出す。
甘い砂糖菓子のようなミモザのブーケを楽しめるのは、寒さが一番厳しい時期から春分の前までです。
芯の強い太陽の光を彷彿させる鮮やかな黄色に、ここ一番のエネルギーを分けてもらいましょう。
この時期ならでは!ミモザのブーケやリースを作ってみよう!
KOLMEでは2月にミモザリースレッスンを開催いたします。
2月16日(木)開催のSalon de KOLMEでは、上記の基本ポイントを確認しながらラナンキュラスとミモザのブーケを作ります。
自分でやってみたけど上手くいかない、基礎からしっかり教えてもらいたい、ミモザは大好きなのでブーケやリースを作ってみたい!という方はぜひお越しくださいね。
【ミモザのデータ】
学名: Acacia dealbata
別名: 銀葉(ギンヨウ)アカシア
英名: Mimosa, Silver wattle
原産地: オーストラリア、タスマニア
出回り時期: 12月〜3月末
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