初心者にもできる 基礎からのフラワーアレンジメント チューリップ編

KOLME流フラワーアレンジメントの基礎のお話、今回は誰もが知っている花・チューリップについてお伝えします。

※KOLMEではフラワーアレンジメントとは、「お花を組み合わせて、ブーケやコンポジション(いわゆるアレンジメント)、投げ入れ(一輪挿しのような花瓶に活けること)などの形を作り、空間に配置すること」と捉えています。

目次

寒い冬でも春を感じさせてくれるチューリップ
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「咲いた♪ 咲いた♪」で始まる童謡から、チューリップは小さな子供が真っ先に覚える花でもありますね。チューリップの切り花は12月の半ばころから花屋さんに並び始めます。その歴史は古くはオスマン帝国に始まり、やがてヨーロッパに伝わりました。日本には江戸時代に伝来するも普及には至らず、大正時代に入ってようやく本格的な球根栽培が開始されました。

現在では、花びら咲き方や形、色が個性的なチューリップがたくさん出回っています。品種改良される前の野生の原種だけで100種類を超えると言われ、交配されたものも含めると5,000以上にのぼります。

品種は下の4つに大別されます。
・「早生(わて・そうせい)」・・・生育時期が短い(3月下旬〜開花)
・「中生(なかて・ちゅうせい)」・・・生育時期が早生と晩生の中間(4月中旬〜開花)
・「晩生(おくて・ばんせい)」・・・生育時期が長い(4月下旬〜開花)
・「原種」・・・品種改良される前の、野生のままの種類(4月上旬〜4月下旬開花)

さらに花の咲き方や大きさなどで15の系統に分類されています。

あれ?開花時期は春なのに、12月の半ばころからお花屋さんにチューリップが並んでいるってあるけれど…?と気づいた方、鋭いです。チューリップの切り花の出荷は12月〜3月。ビニールハウスで栽培されたものが流通しているため、自然に開花する時期とは異なるのです。

チューリップの花言葉

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チューリップの花言葉は「思いやり」と「博愛」。さらに色別にも花言葉があります。

<赤>
愛の告白・永遠の愛・ロマンチックな愛・私を信じて
<白>
失われた愛・純愛・許しを請う
<ピンク>
愛の芽生え・誠実な愛・優しさ・思いやり・愛着・愛情・幸福
<黄色>
実らぬ恋・名声・明るさ・日光
<紫>
永遠の愛・王者の風・気高さ

チューリップのブーケで基礎をしっかり押さえる
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お花屋さんだけでなく、スーパーの切り花などでも簡単に手に入れられるチューリップは、ビギナー向きのフラワーアレンジメントの花材です。下記の基本を参考に、お好みの色や品種でブーケ作りに挑戦してみてください。

基本1.チューリップはこう選ぶ

フラワーアレンジメント初心者の方には、茎が柔らかく曲がったものよりも、固めの茎でまっすぐのものを選ぶとあしらいやすいでしょう。チューリップは茎が太いわりに折れやすいため、優しく丁寧に扱って下さい。10本束で売られている場合は、束の中に折れている花がないかチェックしましょう。

チューリップは温かい所や明るい所に置くと、あっという間に花びらが開いてしまいます。買ってきたらすぐにチューリップの花の根元部分を針やワイヤーなどで貫通させ傷をつけると、開花時期が長くなります。

チューリップの他に、葉や小ぶりの花の合計3種類を用意すると、更にゴージャスなブーケに仕上がります。

基本2.準備で仕上がりが変わる

束ねる前の下準備(ネトワイエ)で他の花材と共に、余計な葉を取り除きます。この際、茎を折らないように十分気を付けてください。こうすることでブーケの色と形を整えやすくなり、茎が重なる軸部分の蒸れも軽減します。このネトワイエはどのフラワーアレンジメントを作る時でも基本中の基本となります。

下準備ができたら、使うお花が一目で全て分かるよう、花材別に並べ、結束用の紐を用意します。枝がピンと伸びたフレッシュなブーケを作るには、しおれる前に作業を終わらせるスピードが肝心です。

基本3.花の向きはいろんな方向に

チューリップ→グリーン→他の花材の順番で束ね始めます。このスタートがブーケの中心になります。続けて色と形のバランスをチェックしながらチューリップ→グリーン→他の花材の繰り返しで花材を束ねていきます。チューリップの美しい顔を正面に据えたくなりますが、あえて横顔や後ろ姿を見せ、チューリップの奥行きのある表情を伝えましょう。

花材が全て束ね終わったらブーケ全体の姿をチェックして、花の出方やグリーンの角度を修正します。手直しが終わったら紐で結わいて出来上がりです。

まとめ

形も色も様々のチューリップですが、どんな種類であっても
・固めの茎に真っすぐしたものを選ぶ。
・下処理をしっかり行う。
・花の顔は多方向に向ける。
これらの3つの基本は変わりません。

春の本格的な開花シーズンを先取ってチューリップのブーケを楽しめるのは、お花の生産者さん達が丹精こめて育ててくれたお陰だと思いめぐらすと、ただ可愛いだけでなく、より深い愛情が湧いてきます。体を丸めてしまうような寒さも、チューリップの伸びやかなブーケとともに背筋をピンと伸ばして過ごしましょう。

チューリップのブーケを作ってみよう!
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1月のKOLMEのフラワーアレンジメントレッスンでは、上記の基本ポイントを確認しながらチューリップのブーケを作ります。自分でやってみたけど上手くいかない、基礎からしっかり教えてもらいたい、チューリップは大好きなのでブーケを作ってみたい!という方はぜひお越しくださいね。

花と暮らす、花とはたらく

 

【チューリップのデータ】

学名: Tulipa
別名: 鬱金香(うこんこう)
英名: tulip
原産地: トルコ 中央アジア
出回り時期: 12月中旬〜3月末


チューリップと共にメジャーなバラの基本はこちら。
>>>初心者にもできる 基礎からのフラワーアレンジメント 秋のバラ編

KOLMEが考えるパリスタイルとはこういうスタイルです。
>>>KOLMEのパリスタイルフラワーについて【保存版】

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この記事を書いた人

KOLME姉。東京都出身。幼い頃より日本舞踊から茶道、華道を習い、日本の伝統美に触れる元・三味線奏者のパリスタイルフラワーアーティスト。責任感が強く面倒見の良い親分気質、思い立ったら即行動の情熱家。好きなものは、美容・宝塚・JALマイル計算。

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