7月のレギュラーコースレッスンのテーマは「ドリス・ヴァン・ノッテンの庭」。
ドリス・ヴァン・ノッテンは、ベルギー出身のファッションデザイナーです。
30年以上にわたりファッションの第一線で活躍してきました。
彼のコレクションは、ユニークなプリントや素材の巧みな組み合わせが特徴です。
クラシックなシルエットと現代的なひねりを加えたスタイル、異なる文化や時代のテイストを取り入れたデザインは、玄人好みのデザイナーともいえます。
彼がインスピレーションを受ける源の一つが、自宅の22ヘクタールに及ぶ広大な庭です。
その庭で育てた花を部屋に活け、菜園で採れた野菜で料理を楽しむ暮らしぶりは、彼の創作と密接につながっています。
とうわけで、今月は生徒さんに、「ドリス・ヴァン・ノッテンの庭から摘んできたばかりの草花を使い、クラシックを現代的に解釈したブーケ」を束ねていただきました。
「ドリス・ヴァン・ノッテンの庭ブーケ」のポイント
下処理
茎の丈を短く切ったり葉を取り除く前に、ブーケの大きさをざっくりに想定します。
大きさの基準にする花材はユリです。
原則として、メイン花材、サブ花材の花についた葉は下処理の段階で全て取り除くとお伝えしていますが、今回は無造作な雰囲気も表現したいので多少葉を残しても構いません。
ユリ
ブーケ全体のサイズを決め、そこからはみ出した茎を切りましょう。
花の近くにある葉は1〜2枚程度なら残しても構いません。
花が開いているものは、雄しべを取ります。
(ユリの花粉が洋服につくと洗濯で落としにくく、厄介です)
ヒマワリ
束ねる際、手に持つ部分に来そうな葉を取り除きます。
花の真下にある葉は残しておいても構いません。
束ねている最中に、他の花材との兼ね合いで取る/残すを判断しましょう。
クレマチス
葉を取るか、残すか判断する基準は、使う場所によります。
ブーケの外側に使いたい場合:残す
ブーケの真ん中に使いたい場合:取る
下処理の段階では残しておいて、束ねながら判断してもよいかもしれません。
グリーンミスト
水が下がりやすい花材です。
クタッとしていたら、全長の8割くらいが浸るように水につけてください。
黒く変色したつぼみや葉は取ります。
スモークグリーン、グリーンスケール
茎の切り口に近い葉は取り除きます。
長さはお好みで調節します。
スターチス / リモニウム
丈が長いので、2〜3分割します。
ヒメライデン
この枝からブーケを束ね始めます(軸になる)。
軸に使う枝は切り口に近い葉を取り除きます。
葉の姿や枝ぶりを活かしたいものは、残します。
ブーケのサイズを決めておくと、切り分けやすくなります。
束ねる
ヒメライデンから束ね始めます。
2本目はユリです。
ユリをヒメライデンの太い枝に組み込むようにして、ブーケの輪郭を大まかに作りましょう。
3本目はヒマワリです。
ヒマワリも同様に、ヒメライデンの太い枝に組み込むようにして加えます。
ヒマワリを加えるときは、花の向きに注意です。
全てのヒマワリが正面を向くとヒマワリの存在感が突出し、他の花材の印象が弱くなります。
ブーケ全体の花材が馴染むように、後ろ向き、横向きにも配置しましょう。
生徒さんの声
ついつい同じ高さになるように花材を揃えて束ねていました。
高低差をつけると、空気感が出るようになりますね。
完成が近づくと、花材が込み入ってくるので、最後に手直しをして花の向きやズレを直すのが大事だなと思いました。
なんとなくでもイメージすることが大事ですね。
今月はわりとすんなり作れました。
軸をしっかり持とうと意識したら、わりといい感じにまとまりました。
軸をうまく固定できるとうまくできるんですね。
軸に使う枝をちゃんと選べたのだと思います。
ユリの花が開いてきたら、ブーケのバランスもまた変わってくるのでしょうね。
楽しみです。
枝を間引いたことで、ブーケの息苦しさがなくなりました。
葉っぱの個性が見えると、全体的にニュアンスがでて楽しいですね。
ブーケになる前に並べた花材の色の組み合わせが、束ねた後では違う風景になって、いつも面白いです。
洋服ではためらう色合わせだけど、花だとすんなり取り入れられますね。
手の中で茎がバラバラにならないよう、ギュッと握ってしまいました。
先生が持ち直したあとのブーケは、枝と枝が支え合っていて、軸がフィットしているというか、ただ持っているだけという感じで、重さを感じませんでした。
先生の手は魔法の手みたいです。
花材の重さは手で受け止めないで、スパイラルテクニックで逃がす
今月は1つの作品の中で、直径1.5〜2cm弱×長さ80センチくらいの枝を使いました。
これは一般的には投げ入れに使うサイズです。
束ねるにあたり長さは短く切ったものの、全体の重さは変わりません。
ブーケづくりに慣れていないうちは、花材の重さに手が耐えられず、途中で止めてしまうということが起こりがちなんです。
ですが、「スパイラルテクニック(茎を螺旋状に茎を重ねる技術)」が身につけば、手で受ける重さを逃がせるようになり、太い枝やたくさんの茎も無理なく束ねられるようになりますよ。
どなたでも習得できますので、手の中で茎が重なっている感覚をつかめるようになるまで、根気よく練習しましょう。
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