木や布などの素材が好きです。
素材を指先ですりすりしていると、こまかな組織の内側を顕微鏡で観察しているような感覚になり、得も言われぬ快感を覚えます。
文房具屋さんだと、ノート売り場が熱いです。
ノート紙は木や布ほどの違いなんてあるの?
って感じですが、あるんです。あるんですとも。
たかが白い紙片にも凹凸があり、ハリ・コシがあり、色があり…。
真っ黒な夜空に浮かぶ星々はどれも同じようでいて、それぞれに名前があるように、紙にも名前も性格もあるのです。
まさに白い宇宙!
その微妙な違いに気づいて以来、ノート売り場をすりすりせずに通り過ぎることができない身体になりました。
前置きが気持ち悪くなってきましたね。
さっさと本題に移りましょう。
さきごろ理想のノート紙を2種類見つけまして、ここにご紹介したいと思います。
理想のノート紙① コンケラーレイド
コンケラーレイド
イギリスのアルジョウィギンス社が製造する「コンケラー」というシリーズの一つ。
海外の有名企業や高級ホテルの便箋や封筒に用いられる高級用紙として定評のある紙です。
感触
コピー用紙より厚手、ハリがあって手でぴらぴら振ってもへたれません。
紙の表面には横線(すの目模様)と「conqueror」の透かし模様が入っており、万年筆が喜びそうな質感。
すてきポイント
いかにもホテルの客室のデスクの引き出しに入ってる便箋にありそうな「THE 高級」な佇まいがたまりません。
ミキモトの真珠のネックレスとか、ラ・ペルラの下着とか、スワトウ刺しゅうのハンカチとか、持っているだけで「違いがわかる男(女だけど)」になったような気分に浸れます。
理想のノート紙② MD用紙
MD用紙とは
日本の文具メーカー、ミドリカンパニーが作る筆記用紙です。
東急ハンズなどで、手書き文字で「『書き心地』には理由があります。」と書かれた帯が巻かれた白いノートを目にしたことありませんか?このノートの中身がMD用紙です。
感触
厚さはコピー用紙と同じくらいです。
コピー用紙と比べると、MD用紙は繊維の密度が高くてきめ細やか、しなやかといった印象です。
ほんのり卵色をした表面はすべすべ、卵豆腐みたい。
すてきポイント
シンプル、実用的、質が良い、品質と金額のバランス、日本製の良さが凝縮されているところですね〜。
コンケラーだと筆記用具もそれなりのものを…と書く行為を大げさにしてしまいがちですが、MD用紙は万年筆でもボールペンでも、マーカーでもガシガシ書ける親しみやすさがあります。
バカラのグラスもいいけど、毎日使うのはイッタラのグラス的な。
今回入手したのはミドリオンラインストア限定のA4用紙です。
>>【ストア限定】MD用紙<A4> 100枚パック(ミドリオンラインストアのページ)
紙は使わないとね
左がコンケラーレイド(ハイホワイト)、右がMD用紙。
こうやって2種類の紙の厚さや感触を指先顕微鏡で観察してみると、それぞれ用途が違うんですね。
紙質ばかりに目が向いて、使うことが頭からすっぽり抜けていました。
積ん読ならぬ、積ん紙にならないように、手に入れたからにはちゃんと使わないとですね。。。
ああ、押し入れには積ん布もあったんだ…。