シャンゼリゼ通りとアルマ橋を結ぶ「ジョルジュサンク通り」には、有名ブランドの本社やブティック、高級ホテルなどが立ち並んでいます。
路肩には黒塗りの自動車、セレブっぽい人々、シャキッとしたスーツの人が行き交う、パリのきらびやかさが強く感じられる一帯です。
その中でもつねに賑わっているのが、「Four Seasons Hotel George V(フォーシーズンズ・ジョルジュ・サンク)」。
1Fのロビーは花で埋め尽くされており、お花ファンの間でも「ここの装花は一見の価値あり」とされている五つ星ホテルです。
2019年にひきつづき、今回もこちらの装花を見学してきました。
これだけの花の密度は、他のホテルではなかなかお目にかかれませんね〜。
というわけで、その模様を写真でお届けします。
フォーシーズンズホテルジョルジュサンクの装花を見てきた。

こちらを訪れたのが6月上旬。
前回は5月の来訪だったので、装花にはシャクヤクがメインで使われていました。
今回もシャクヤクなんだろうな〜という予感がしますが、そうだとしても、きっと新しい発見はあるはず!
レセプション前

回転ドアでホテルの中に入ると、ちょうど装花のメンテナンスをしているところでした。
まっさきに飛び込んできたのが、フューシャピンクの色のかたまり。
反射的に広角が上がりますね。
「か〜わいい〜♡」という声のトーンも、普段よりも鍵盤3つぶんくらい高くなっているような。

メインの花にはシャクヤクとアジサイが使われていました。
やっぱり!
廊下

廊下はシャクヤクに加え、ランが飾られています。
装花のディスプレイ台と床の色が揃っており、花が浮いているように見えませんか?
春から夏に向かう嬉しさ、喜びが感じられるような。

中庭に面したガラスドアの脇の花々。
ランが乗っている透明の台、いいな〜。
陶器にびっちり柄がはいった花瓶とか、こまかな細工が加えられた真鍮の花瓶とか、年代物のアンティークの花台ばかりだと、中世のお城のような重厚さが強調されて、今っぽさが薄まりそうですもんね。

透明ガラスの花瓶も浮遊感を高めます。

壁の油絵、大理石の天板のコンソールテーブル、燭台に合わせた花瓶は、透明ガラスのシリンダー。
このタイプの花瓶はどんな什器にも合うから、一つ持っていたら間違いないですね!

高い台の左右に低い台を並べて、輪郭が三角形になるように。
真ん中の目線の位置にはアジサイの投げ入れを置いて、ボリュームをUP。
サロン入り口

こちらにもシャクヤクとアジサイ。
シャクヤクの葉っぱが緑のアクセントになっていますね。
いろんな種類の花材を組みあわせなくても、これだけの華やかさがあるのは、ボリュームがあるからですね〜。
花台1台につきシャクヤクが30本くらい、アジサイは15本くらい使われているみたいです。
シャクヤクは花台が6台だから、30×6=180本。
アジサイも6台あるから、15×6=90本。
両方合わせて、270本。
さすが!桁が違いますね。

ラウンジの受付には、おそろいの色のバラが二輪。
バラの右隣のガラス瓶は消毒用のアルコールなのかな?

ラウンジ「La Galerie」は、バラとアジサイとラン。
ピアノに合わせて黒いシリンダーの花器が。

バー「Le Bar」の入り口脇はこんな感じ。
ここのホテルの建築とインテリアは、アールデコ様式とルイ15世様式なんだそうな。
椅子の左側、バーの入り口の仕切りの模様はミュシャのイラストの縁取りにありそうですね〜。
アートじゃなくて、花だからイイ

天井は高いし、モールディングなどの装飾がたっぷり施されているし、調度品はエレガント。
ここに装花がなくてもじゅうぶん非日常なのですが、花が飾ってあることで、非日常に豪華さや特別感、高級感がさらに高まります。
意外と「花を飾る」ってことが重要なのかもしれません。
花ではなくオブジェや絵画といったアート作品だと、作品の存在が前面に出てしまい、空間全体の調和を取るのが難しくなるだろうなあ。
その点、花は(フラワーデザイナーの意図はあれど)それ自体の主張は控えめですし、場の空気をなごませる効果がありますね〜。
花で自分で自分のご機嫌をとる

こんなに素敵な場所に連れて行ってあげたい。
こんなに贅沢な空気を体験させてあげたい。
大切な人に対しては割と当たり前に持つ「〇〇してあげたい」という思いやりを、自分に向けて実行できたら、自分がすごく喜ぶんだろうな。
ジョルジュサンクに行かなくても、花をいつもより多めに部屋の中に飾ってみるだけでも、見える景色は普段とはきっと大きく異なるはず。
自分で自分のご機嫌を取るスキルを磨くという意味でも、たまには贅沢をして「自分が喜んでいるかどうか?」を観察してみるのもいいかもしれません。

フォーシーズンズホテル ジョルジュサンク
【Four Seasons Hotel George V】
住所
31 Avenue George V, 75008 Paris
ウェブサイト
https://www.fourseasons.com/jp/paris/?c=t&_s_icmp=mmenu

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