10月は、毎年恒例の秋のバラレッスン。
同じ花を扱っていても、テーマが変わると不思議と印象が変わります。
バラという花は見るたびに違う表情を見せてくれるんですね。
だからこそ、毎年この季節が待ち遠しいのです。
今年のテーマは「強い女性」。
テーマを考えていた時に、ニュースで見かけた女性政治家の堂々とした姿でした。
まっすぐな言葉、凛とした立ち姿。あの瞬間に感じた外に向かう強さ。
そして対照的に、映画『キャロル』のケイト・ブランシェットが演じる主人公のように
静かに自分を貫く内に向かう強さ。
どちらも女性らしい美しさを宿していて、
「強さにはいろんな形があるな」と改めて感じたのです。
秋のバラは、春よりもゆっくりと咲き、色も香りも深みを増していきます。
その姿はまるで経験を重ねて内側から輝く女性のよう。
ゆったりとした時間の中で、花が自分らしく咲くことを許されているような気がします。

レッスンでは、いつもと少し違うバラの品種に戸惑いながらも
花に触れているうちに自然と手が動き出し、
気づけば皆さん、のびのびと束ねていました。
束ねながら「強い人って、どういうことなんだろう?」という話題から
自然と深い会話が生まれました。
「生き物と触れ合うと、無償の愛をもらってる気がする」
「木って言葉はなくても、ずっと見守ってくれてる感じがする」
そんな言葉がぽつぽつと出て、みんなで静かにうなずく時間。
秋の光の中で心がほぐれていくのを感じました。

そして、私自身もあらためて思ったことは
バラってやっぱり特別!
幾重にも重なる花びらを見ていると、自然と引き込まれてしまう。
香りの奥行き、形のバランス、ひとつとして同じものがないその存在感。
ノーブルでありながらチャーミングで、強さとやさしさをあわせ持つ。
まさに“女性そのもの”のような花だと思います。
同じバラでも、毎年テーマが違うだけでこんなにも新しい発見がある。
花はいつも同じでいて、私たちが変化しているんですね。
だからこそ、何度でも出会い直せるのかもしれません。
あなたの中にある強さは、どんな色や形をしていますか?
花と向き合う時間が、その答えをそっと教えてくれるでしょう。