メニューを文学と結びつけて考えたこと、なかったな〜。
でも、『味なメニュー』(平松洋子著)を読んで、たしかに文学かも…わかる気がします。
この本は、老舗の洋食、立ち食いそば、キッチンカーのお弁当、センベロの居酒屋…さまざまな“美味しさ”の秘密に迫ったエッセイです。
味はもちろん、匂いや音、その場の雰囲気が鮮やかに描かれており、行ったことのない店ばかりなのに行った気持ちになっちゃうんですね〜。
特に興味深いのが、お店の歴史や店主のこだわりについて。
この中に登場するお店はどこも、お客さんのことをとても良く見ているんですね。
仕入れや作り方などの工夫と努力の先には、食べてくれるお客さんがいる。
長く愛される秘訣って、特別なことではなく、当たり前の積み重ねなんだなあ。
気になったメニューの一つ、万世の「排骨拉麺」をさっそく食べに行きました。
こちらは「万かつサンド」と並ぶロングセラーで、「ときどき無性に食べたくなる味」なんだそうです。
場所は9月30日に閉店する新宿のメトロ食堂街です。
14時過ぎにも関わらず、閉店を惜しむお客さんがひっきりなしでしたよ。
牛や豚の骨から取った醤油味のスープ、丸い断面の玉子麺。
どこかで食べたことのあるような、親しみやすさがありました。
この本に載っている他のメニューも食べてみようっと。
※現在は文庫版が出ています。