「19世紀末のパリのサロン文化がテーマのコンサート」と聞いたら、心がときめきませんか?
先日、ヴァイオリニスト小林香音さんのコンサート 「Esprit」 に伺いました。
実際に足を運び、音楽と共に感じたエスプリ(精神や才気・知性)について、レポートします。
コンサートのテーマとプログラム
「Esprit」— パリのサロン文化と芸術の交差点
「サロンが創造の源泉となっていた時代に思いを馳せながら、その雰囲気を感じられる演奏が展開される」というコンセプトに、私はワクワクしました。
まさに芸術家たちが集い、互いに刺激を受けながら新しい表現を生み出していた時代の空気が感じられるようでした。
このコンサートのテーマは、私自身が目指しているサロンの理想像と深くリンクしており、まるで運命のように感じました。
音楽を通じて創造性を刺激し、文化を共有する場がいかに豊かな時間を生み出すのか。その答えを探すような感覚で、演奏に耳を傾けていました。
当日のプログラム
- ルクレール:「ヴァイオリンソナタ ニ長調 Op.9-3」
- ラヴェル:「ハバネラ形式の小品」
- フォーレ:「子守唄」
- ストラヴィンスキー:「ディベルティメント」
- ガーシュウィン:「ポーギーとベス」組曲(ハイフェッツ編)
- フランク:「ヴァイオリンソナタ」
この中で特に心に残ったのは…
フォーレの「子守唄」は、繊細なピアニッシモが美しく、まるで時間が止まるかのような静寂を生み出していました。その穏やかな旋律に包まれると心が自然と落ち着き、音楽の持つ癒しの力を改めて感じました。
一方で、ガーシュウィンの「ポーギーとベス」は、生で聴く機会が少ないだけに、とても新鮮に感じられました。
リズミカルで自由な旋律がクラシックの流れの中に心地よいスパイスを加え、思わず身体が揺れるような感覚に。音楽を聴くというより、音の世界に全身で飛び込んでいくような体験でした。
クラシック音楽の奥深さと多様性を改めて実感し、感性が刺激される時間となりました。
言葉の魔法
「お客様は今日のサロンの主催者です。」
コンサートの終盤に香音さんが「お客様は今日のサロンの主催者です。」と語った瞬間、私の心は大きく震えました。まるで魔法のように、その言葉が私の魂に響き「そうなんだ、私はそうなるんだ。」と、深く心に刻まれる感覚がありました。(思い込みとも言う。笑)
予想外の涙…感動の余韻
終演後、香音さんにご挨拶をしようとした瞬間、予想もしないことが起こりました。
ずっと心待ちにしていた、初めましてのご挨拶で言葉を発した瞬間、涙が込み上げてしまったのです。
その後は自分でも驚くほど感情があふれてしまい、思いを伝えたかったのにうまく言葉にならず…。それでも一緒にお写真を撮っていただいたりと、もうめちゃくちゃ!半分記憶がありません。苦笑(ご挨拶を待って後ろに並ばれていた皆さま、私一人でお時間をとってしまい、申し訳ありませんでした。)
それでも香音さんは、その気持ちをまるで天使のような優しさで受け止めてくださいました。
その姿をみて「ああ、やっぱりこの方はすごい…」と、さらに感動。
音楽の力だけでなく、人としての温かさが伝わる、そんな特別な時間でした。

次回公演のお知らせ
小林香音さんの公式サイト
5月のコンサート情報 次回のテーマは 「無音歌 音楽は語る」
音楽を通じて何かを感じたいと思っている方には、香音さんの世界観は必見です!
コンサートは「ただ聴く」だけではなく、感性が磨かれる時間でもありますので、それをぜひ体感してくださいね。