美意識が詰まったリノベーション途中の新居へ
この日は、大学時代の先輩のお宅訪問。
といっても、ただいま絶賛リノベーション中で、今回は進捗を見せていただく“途中経過”の見学会。
2年前のパリ研修でもご一緒した彼女とは、現地でカフェを巡ったり、美術館へ行ったり、いろいろな刺激を共有してきました。

久しぶりの再会だったけれど、変わらないセンスと行動力に、今回もやっぱり刺激をもらいました。
建物の立地や佇まいから、彼女の美意識がひしひしと伝わってきます。
内装だけでなく、物件そのものにこだわるって、そう簡単にできることじゃありません。
「理想をかたちにする」その実践編を見せてもらったような感覚で、刺激を受けました。
ああ、私、まだまだ自分を出し切ってないな……そんな気づきもあったり。
彼女は、自宅兼サロンをこの空間でスタートする予定。
そのビジョンがとても明確で、すでに頭の中に絵が描かれているのが伝わってきます。
話を聞いているだけで、私の頭の中にもそのサロンの情景が浮かびます。
やっぱり、言語化ってすごい力。
一方で、コルメのアトリエを持て余している自分にも気づいてしまった。
「まだ、やれることがあるかもしれない」
そんな想いが、じわりと湧いてきました。
日本とフランス、教育の根っこが違う

ランチでは教育や文化の話にも花が咲きました。
フランスでは高校生から哲学が必修で、思考力を育てる教育が当たり前なのだという。
日本の「道徳」とフランスの「哲学」、そこに根本的な価値観の違いがあることにハッとさせられました。
たしかに私たちは「なぜ?」と問うことを避けて育ってきたかもしれません。
当たり前すぎて意識してこなかった文化の根っこを、改めて考える時間にもなりました。
午後は、心の赴くままにパリ散歩
名残惜しくも先輩と別れたあとは、ひとりでお散歩タイム。
ルートは定番中の定番、でも私にとってはやっぱり特別な道。

先輩のご自宅近くの凱旋門から、フォーシーズンズホテル・ジョルジュサンクの装花をちらりとのぞいて、アルマ橋を渡り、アパルトマンのあるアンヴァリッドへ。
フォーシーズンズの花は、広い空間を生かしたモダンな見せ方で、私のスタイルとはまた違います。
でも、その「空間×花」のダイナミックな表現は、いつも学びになります。
ただ飾るだけじゃない、“魅せる”花。やっぱり、プロの仕事には力があるなー。
パリの空気はこの日も気持ちよくて、思わずベンチに腰掛けてぼーっと。
セーヌを行き交う船や、散歩する人たちを眺めながら、
「あぁ、今、パリにいるんだ」
と静かに満たされる時間。
撮影のためでも、予定のためでもなく、心のままに歩く。
すると、いつの間にか頭の中が軽くなっていました。
無意識に働き続けていた何かが、ようやく休めたような感覚。
その“ゆるみ”が、なんだかうれしかったな。

会話を通して、自分の中の何かが動き出す
実はこの日、外に出るのが少しだけおっくうに感じてたんです。
人と会うのも、ちょっとためらいもあって。
でも、会って話してみたら、やっぱり元気をたくさんいただきました。
こうして心地よい距離感で続いていく関係って、本当にありがたい。
そんな気づきをもらった、流れに身を委ねるような一日でした。



