こんにちは。
KOLME妹・Michikoです。
前回のフォンテーヌブロー宮殿レポートでは「フランソワ1世の廻廊」をご紹介しました。
いやあ、装飾で埋め尽くされた空間には言葉を失うどころか呼吸が止まりそうでしたね。
さて今回は帝政時代の宮殿にタイムワープですよ。
ナポレオンの居住空間を中心にお届けします〜!
皇帝ナポレオンが暮らしていたのはこんなところ
王座の間
元は国王の寝室だったこの部屋は、宮殿の中で最も神聖な部屋でした。
フランス革命で家具調度品が略奪されたところ、ナポレオンが1808年に王座の間に改装しました。
毎週日曜日に推薦の儀式や宣誓の儀式が執り行われたそうです。
王座の両側には黄金の鷲とアルファベットの「N」。
王座やビロードのカーテンには蜂の刺繍。
これらはすべてナポレオンの紋章なんですね。
玉座の天蓋のうえの「ふぁさふぁさ(鳥の羽根)」、グッときますね〜。
玉座が空に浮かんでいて、ふぁさふぁさは空に浮かぶ雲という設定なのでしょうか?
皇帝の寝室
1808年にここがナポレオンの寝室になって以来、歴代の王の寝室として使われました。
この肘掛け椅子にはちょっとした工夫がありまして。
よくみると左右で肘掛けの高さがちがうんです。
それはなぜでしょう?
左の高い肘掛けで窓側からの冷気や風を防ぎ、右の低い肘掛けでは暖炉のぬくもりに当たりやすく設計されているからなんですね。
皇帝の執務室
ナポレオンが執務をこなす部屋。
この部屋で過ごすことが多かったらしく、1811年には机の後ろに小さな寝台が設けられました。
一代でいち軍人から皇帝まで上り詰めるくらいですから、めちゃくちゃ働いていたんでしょうね。
皇帝の私室
ここは別名「退位の間」とも呼ばれています。
その由来は1814年、この部屋でナポレオンが退位の意志を固めたからといわれます。
壁紙や赤い布地と金箔を張った椅子などの調度品は、ナポレオンが皇帝として住んでいた頃のものです。
オテル・ドゥ・ラ・マリーヌにあった保管所長の寝室も全面赤色でしたが、落ち着くのかなあ?
当時は照明が今ほど明るくなかっただろうから、赤がまぶしくなかったのかなあ。
皇后の寝室
アンリ4世の王妃マリー・ド・メディシスからナポレオン3世の皇后ウージェニー(絵皿の回廊にあった箱物家具の陶板に描かれていた花嫁)まで、歴代君主の奥さんの寝室となった部屋です。
ベッドはマリーアントワネットのために作られたものです。
ですが、彼女はフランス革命で処刑されたため、こちらを使うことはなかったんですね。
最初にこのベッドを使ったのはナポレオンの最初の后、ジョセフィーヌでした。
壁布、カーテン、調度品はジョセフィーヌ時代のものです。
三位一体礼拝堂
こちらはナポレオン時代よりもずっと前にあった礼拝堂です。。
フランソワ1世が16世紀に再建し、アンリ4世とルイ13世が調度を整えたり装飾を施しました。
国王と王妃は毎日ここでミサに参加するのが日課だったそうです。
ルイ5世の結婚式(1725年)や、ナポレオン3世の洗礼式(1810年)が行われた場所でもあります。
コリント式の柱。
大理石に見えた床は、実はカーペットだった。
何の部屋だか頭が追いつかなくなってきたけど、部屋は続く
見学の最後の方は部屋の詳細を追いきれなくなりまして、黙々と見学&撮影です。
かろうじて白い面が多めの部屋。
パリの5つ星ホテルのスイートルームみたい(想像)。
これくらいの装飾や柄の密度に驚かなくなっている自分に驚きます。
慣れってすごいですね〜。
ドレッシングルーム。
テーブルクロスのレースの感じ、昔原宿でよく見かけた「キャンディミルキーちゃん」のワンピースじゃないか!
まさかこんなところで彼女を思い出すとは。
(キャンディちゃんについては、「原宿 キャンディミルキー」で検索してみてください)
「すごい!」のあとにやって来る複雑な思い
さすがフォンティーヌブロー宮殿、世界遺産に指定されるだけあって圧倒的な見ごたえがありました。
これがフランス君主の絶大な権力だったんですね。
しかし一方で、これだけ大規模な宮殿を建設し維持するためには、裏側にどんな出来事があったのだろうと考えずにはいられません。
特権階級が優遇されるような政策や、植民地への侵略なんかもあったでしょうしね。
単に「わ〜、宮殿すごい〜!」と喜べない複雑な思いも湧いてくるんですよ。
なんだかなあ〜。
ということをレッスンで話したら、生徒さんが「歴史は勝者によって作られますからねえ」とドンピシャに言い表してくれました。
勝者側の視点から見れば、「これだけの宮殿作ったぜ!すごいだろ!」と終わってしまうかもしれませんが、自分は必然的に勝者ではない側の視点がチラついてしまうのです。
そんな風に過去の歴史の勝者と敗者の両面から宮殿を捉えられるのも、現代に生きているからこそですね。
さんざん宮殿のレポートを載せてきた結果、残ったのがこのモヤモヤですか!
とはいえ、フォンティーヌブロー宮殿を見学したから、このなんともいえない感情に気づくことができましたからね。
結果オーライです。
これからもいろんな場所を訪れて、過去の歴史に対して多角的な視点を持ち、アタマを柔らかくしていきたいなあ。
【Château de Fontainebleau】
フォンテーヌブロー宮殿
住所
77300 Fontainebleau
パリからのアクセス
フランス国鉄SNCFのTER(ローカル列車)利用
パリ・Gare de Lyonリヨン駅からFontainebleau Avonフォンテーヌブロー・アヴォン駅下車(約40分)。
バス15分
営業時間
10月〜3月:9:30-17:00
4月〜9月:9:30-18:00
休み
火曜日、1/1、5/1、12/25
ウェブサイト
https://www.chateaudefontainebleau.fr/en/