『睡蓮』のモデルになったモネの庭に行ってきました パリ近郊ジヴェルニー日帰り旅行 前編

パリの公園や緑地を通りがかるたび、足を止めずにはいられません。
そこに設けられている花壇には草花が立体的に、多色だけど統一感のある配色で植えられており、ブーケのデザインのヒントをいくつも見つけてしまいます。
フランスの美意識の高さは、ちょっとした花壇の中にも表れているんですね。

街の花壇がこれだけイケてるのなら、フランスで有名な庭はどれほどのものか?
と、いうことで日帰り旅行してきました。

行き先は、ジヴェルニーにある「クロード・モネの家と庭園」です。
印象派の巨匠クロード・モネが作り上げたこの場所から、睡蓮をはじめ、数々の絵画が生み出されました。

フローリストやお花好きの方の中にも、彼の作品から大いにインスピレーションを受けているという方は多いのではないでしょうか。
そんなモネの庭(と家)について、パリからのアクセス方法、見どころなどをご紹介します。

目次

ジヴェルニーとモネの庭とは?

ジヴェルニーはパリから西へ約80kmに位置する、セーヌ川沿いの美しい村です。
モネはこの村で、1883年から亡くなる1926年まで住んでいました。
その住まいが「クロード・モネの家と庭園」として一般公開されています。

パリからジヴェルニーへのアクセス方法

左の案内板、一番上「8:14発Rouen Rive Droite行き22番ホーム」の下が途中の停車駅です。
「Vernon – Giverny」と書いてあるのを確認。

今回のジヴェルニー日帰り旅行は個人で手配しました。
パリのSt-Lazare(サン・ラザール)駅からTERに乗り、Vernon – Giverny(ヴェルノン=ジヴェルニー)駅で下車。

ジヴェルニー駅から庭園まではシャトルバスで移動しました。
バスの切符は運転手さんから直接購入。
片道、往復が選べます(往復10ユーロ)。

20分ほどで最寄りの駐車場に到着。
ここからモネの庭まで10分くらい歩きます。

林道から国道沿いの歩道、村の中の小道へと景色が変わって楽しい。
ノルディックウォーキングをしている団体さんもちらほら。

「クロード・モネの家と庭園」の見どころ

Le Clos Normand(クロ・ノルマン)/花の庭園

花も緑も生命力が桁違いに強く、ふだんレッスンで接する切り花とは違う生き物みたい。

枯れたアリウムに深く食い込むカモミールの白い花。
Kazukoによると、丸くて大きい花と小花を組み合わせてブーケを束ねるときは、大きな花の中にこれくらい小花を食い込ませるのがポイントだそうです。

日差しをたくさん浴びながら育っているので、背丈があり茎が太い。

今は草花がいきいきと繁っているけど、冬はこれらが休眠して静かになるんでしょうね。
四季に合わせて変化する庭に創造性を刺激されるモネの気持ちが分かる気がします。

ウォーターガーデン(水の庭)

Bassin des Nymphéas(バサン・デ・ナンフェア)/睡蓮池

セーヌ川の水を引き込んで造られた池は『睡蓮』のモデルとなりました。
水面に反射する空と木々のグラデーションは、ここは桃源郷か!?と錯覚させるよう。

睡蓮の見頃は6月から8月とのことで、ちょっと早かったみたいです。

人気スポットですから、相応の来場者数であります。
睡蓮池を撮影する橋の上は大渋滞。

Le Pont Japonais(ル・ポン・ジャポネ)/日本風の橋

緑に囲まれた太鼓橋は、歌川広重の「名所江戸百景 亀戸天神境内」に出てくる橋をモデルにしたと言われています。

この橋、か、亀戸天神ですって!!
JR亀戸駅〜亀戸天神〜JR錦糸町駅一帯の景色と、船橋屋の久寿餅、オリナス錦糸町(ショッピングモール)が頭に浮かび、妙な親しみを覚えます(笑)。

この池はセーヌ川の水だけど、もとは隅田川〜。

モネが日本に来たら浮世絵のロケ地(?)をめぐりそうだな。

La Maison de Claude Monet(ラ・メゾン・ドュ・クロード・モネ)/モネの家

モネが亡くなるまで暮らしたアトリエ兼住居も、家具やインテリアが当時のままの姿に修復されて公開されています。
この部屋でほとんどの時間を過ごしていたんだとか。

額装されていたり、キャンバスのままだったり、壁という壁には絵画が。
なかにはセザンヌのものも。

2階から眺める庭。
毎朝窓を開けたらこの景色だなんて、幸せ!

モネの義理娘、ブランシュ・オシュデ・モネの部屋にて。
壁紙、じゅうたん、ソファ、足置き、それぞれ柄ものなんだけど、違和感なくなじんでいる不思議。

モネは、浮世絵の遠近感を無視した大胆なデフォルメや構図から大きな影響を受けていました。

隙間なくびっちり。

階段にも。

個人でクロード・モネの家と庭園に行くときのポイント

チケットの購入と入場

パリ出発前に日本で公式サイトから前売りチケットを購入しました。
当日券を買うのに窓口でっけこう並んでいたので、事前購入がおすすめです。

前売りチケットを持っている人の入口は、チケット販売窓口とは別のところにある団体、障がい者、前売りチケット保持者用の入口から入場します。

この入口はクロード・モネ通りから一本入った細道にあります。
見落としやすいですが、立て看板や人の流れに注意していたらすぐ分かると思います。

混雑状況

私たちは10時前に入場しましたが、10時半を超えると人が多いな〜という印象です。
モネの家、庭園の通路、池を取り囲む通路、橋の上などの主要な見どころは、ほぼ団子状態でゆっくりと進みます。

3時、4時台は多少は空くのでしょうかね?
日照時間の長い4月〜9月だったら、閉館まぎわもアリかもしれません。

持ち物

6月の晴れの日は日差しが強烈で、キャップと長袖のウインドブレーカーでは日差し対策に物足りませんでした。
春〜夏に訪れる場合は長袖、帽子、サングラス、日焼け止めの4点を持っていくと安心です。

ご飯スポット

庭園の付近にはカフェ、レストランが複数あり、お昼ご飯やお茶できる場所がないということはありません。

私たちはお弁当を持参してピクニックをしました。

マイペースにジヴェルニーの村で過ごせるのが、個人で訪れる最大のメリットですね。

ピクニックの模様は↓下記のレポート↓でお届けします。

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花と浮世絵の園だった

予備知識ほとんどゼロの状態で訪れまして、「花がいっぱい咲いているらしい」程度の認識でした。

実際訪れて受けた印象は2つありまして、1つ目は「植物がワイルドこの上なかった」2つ目は「モネ浮世絵好きすぎ」です。

花屋さんでは見かけられない野性味あふれる植物。
これだけワイルドなのにカオスにならないのは、庭の設計やお手入れが計画的かつ継続的にされているから。
つまり、人の手がきちんと行き届いているからなんでしょうね。

これって、ブーケを束ねるときと同じだなあと。
ナチュラルメイクはすっぴんとは異なるように、自然って実はありのままじゃなかったりしますもんね。

家に飾られた浮世絵の数々からは、日本美術がモネに与えたインパクトがいかほどかわかります。
教科書でさらっと読んだ解説と、ここで実物を目にするのとは納得感が段違いでした。
だって、庭に亀戸天神(インスパイア系の太鼓橋)を作っちゃうくらいだし!

これからモネの絵画と出会うたびに、ここジヴェルニーでの体験を思い出すんでしょうね。
いや〜、ここに来てよかった。

クロード・モネの家と庭園  基本データ

【Maison & Jardins de Claude Monet – Giverny】
住所
84 Rue Claude Monet, 27620 Giverny

営業時間
4月〜10月
月〜日・9:30〜18:00(最終入場17:30)

見学時間の目安
1時間半〜2時間

ウェブサイト
https://fondation-monet.com

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この記事を書いた人

KOLME妹。東京都出身。webデザイナー兼プログラマー発、アパレル経由、KOLMEの裏方兼フォトグラファー(何でも屋)。感覚と論理の世界を行き来する末っ子は、新しいもの好きのマイペース人間。好きな場所は、本屋・ホームセンター・日暮里繊維街

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