ようこそ!パリのエレガンスが薫るKOLMEのアトリエへ〜KazukoとMichiko 姉と妹がいざなう新しい花の世界~– アトリエ創業ストーリー –

世田谷区羽根木の閑静な住宅街にあるKOLMEのアトリエは、 パリの洗練されたエレガンスと、心穏やかなひとときを楽しむ贅沢さを兼ね備えた空間です。


選び抜かれた四季折々の花材と、花そのものの美しさを際立たせるシンプルなデザインのブーケが、訪れる人々に特別な体験を提供しています。

姉Kazukoさん、妹のMichikoさんと過ごす上質な時間が新しい花の世界へといざなうKOLME。
その始まりと、スクールの特徴について伺いました。

KOLMEは、わずか一坪のセレクトショップからスタートしました

――創業のきっかけや経緯についてお聞かせいただけますか? 

Michiko:
このアトリエは、もともと私たち姉妹の実家のお米屋さんでした。
パリや北欧の雑貨を置くセレクトショップを始めたくて、倉庫に使っていた一坪くらいのスペースを片付けて、2011年に、姉と二人でKOLMEを始めたんです。

当時は、いろんな資材が置いてある狭い場所でしたが、そこから私たちの新しい試みが始まりました。

Kazuko:
お店を始めた頃は、雑貨の他に小さなブーケも販売していたんです。
そこで自分の感性に合うブーケを作りたくてインターネットを見ていたら、パリスタイルのブーケに出会って。

初めて見た瞬間、「求めていたのは、これだ!」と確信めいたものを感じました。
それからは夢中で、国内外のレッスンを受けて、技術を磨きました。

そのうち、友人や知人から「教えてほしい」と言われるようになって、2014年に、KOLMEはフラワースクールに生まれ変わりました。

――KOLMEという名前には、どんな意味が込められているのでしょうか?

Michiko:
KOLMEはフィンランド語で「3」を意味します。
開店前にフィンランドに何度か行っていて、その飛行機の中でふと思いついた名前です。
単純に響きが気に入って決めました(笑)

でも、後から気づいたのですが、「KOLME」から「L」を取ると「KOME(コメ)」になるんです。
偶然とはいえ、お米屋さんだった実家との縁を感じました。

Kazuko:
今では「3」という数字に、いろいろな意味を見出しています。
たとえば、私とMichiko、生徒さんの三者がいることで、いいバランスが生まれるとか。
KOLMEが、家でも職場でもないサードプレイス的な役割を果たしているとか。

それに、「空と大地をつなぐ第三の存在として“花”があるのでは」と日々感じているので、
KOLMEという名前は、すごく象徴的だなって思います。

40歳で花の世界に出会って、人生が変わりました

――パリスタイルのフラワーアレンジメントは、
どうやって学んだのですか?

Kazuko:
国内でプロ向けのコースをいくつか受講して、さらに本場での経験が欲しくて、パリに通いました。
3泊5日程度の弾丸滞在を2、3ヶ月おきにして、集中的に学ぶ生活を1年ほど続けたんです。

当時は、時間的にも、お金の面でも大きな決断で、いつもは直感で動く私にしては珍しく、かなり悩んだのを覚えています。

でも、パリスタイルのブーケを作りたい一心で、覚悟を決めて踏み出しました。
Michikoにもずいぶん相談しましたが、背中を押してくれて、本当にありがたかったです。

――kazukoさんは、昔から、花の仕事がしたかったのでしょうか。

Kazuko:
子供の頃から花は好きでしたが、仕事にするなんて考えてもいませんでしたね。
小さい頃から三味線など和のお稽古ごとを習っていて、大人になってからは、三味線の演奏と指導をしていました。

それまでは決められた道を歩いていたけれど、自分の情熱を注げるものを見つけ、秘めていたエネルギーが爆発したような感じです(笑)

花と出会って、夢中になれるものが見つかり、40歳で人生が大きく変わったと実感しています。
レッスンでは、花と向き合う楽しさはもちろん、人は何歳からでも変われるということも、伝えていけたらいいなと思っています。

いつも「私たちらしさ」を大事にして進んできました

――開業してからは、順調に進んだのですか?

Kazuko:
お店を始めたのが、東日本大震災の直後で社会全体が新しいものを買う雰囲気ではなくて、お客様は少なかったですね。
でも前を向いて進もうと、私たちらしさを探し続けました。

Michiko:
私たち姉妹は、もともと楽観的な性格なんです。
だから、先のことはあまり悩みませんでした。
その代わり、自分たちのやりたいことを緻密に考えて、形にしていきました。

フラワーレッスンを始めてからは、ホームページやSNSを通じてお客様に広く知っていただけるようになり、今のKOLMEへとつながっていきました。

情熱的な姉と冷静な妹。
違うからこそ、いい化学反応が生まれます

――お二人の役割分担を教えて下さい。

Kazuko:
私がレッスンを担当し、Michikoがウェブサイトの制作や写真撮影を担当しています。
私は情熱的に突き進むタイプですが、Michikoはもっと冷静。
プロデューサーの目線でKOLMEを見てくれています。
そのバランスが、いい化学反応を起こしていると思います。

Michiko:
私は昔、Webデザイナーとして働いていたので、その経験が活きています。

姉は本当にエネルギッシュで、次々に新しいアイデアを考え出すんです。
姉が前に進もうとするのを、私が整理して具体的にしていく。

時には意見が合わないこともありますが、対話を重ねて、納得できる答えを見出しています。
そのプロセスも含めて、私たちらしさだと感じています。

Kazuko:
私のアイデアに対して、Michikoが「こうした方がいいんじゃない?」「それってこういうこと?」と、的確な指摘や質問をしてくれるんです。
そうやって二人で話しながら、KOLMEの世界を作っています。

レッスンは私がやっていますが、Michikoのサポートがあってこそ、KOLMEは成り立っていますね。

祖父の代から続く海外交流が、私たちの世界を広げてくれました

――お二人とも、留学やバックパック旅行など海外経験が豊富ですよね。
KOLMEにも海外から生徒さんが来られるなど、インターナショナルな雰囲気があります。お二人の国際的な視野は、どこから影響を受けているのですか?

Michiko:
実は、父方の祖父の物語が、私たちの原点にあるんです。
祖父は若い頃、外交官を志していました。
時代背景もあって、その夢は叶いませんでしたが、戦時中、マレーシアに派遣された時にひとつの出会いがありました。
祖父が現地の人々との調整役として力を尽くす中で、ある方と深い信頼関係を築いたそうなんです。

Kazuko:
戦後、一度は連絡が途切れてしまったんですが、祖父はその方を探し出したんです。
それ以来、家族ぐるみの交流が続き、私の子供を含めると4世代に渡っています。

また、私たちの家には、小さい頃からいろんな国の方々が訪れる環境がありました。
そんな背景もあって、パリスタイルを基本としながらも世界に目を向け、常に新しい価値観を取り入れていきたいと思っています。

レッスンでは、自分の感性を大切にしていただきたいと考えています

――レッスンは、どのように進められているのですか?

Michiko:
単発レッスンから、ディプロマコースまで、ご希望によって選んでいただけます。
どのコースがいいか迷われる時は、トライアルレッスンで相談して下さい。

Kazuko:
レギュラーコースでは、毎月テーマを決めてブーケを作っています。

たとえば、素敵な絵画やその月の星座、私が観て感動した舞台など、その時々のひらめきでテーマを設定して、イメージを自由に広げていくんです。
すると思考の枠が広がって、皆さんの創造性がより発揮されるので面白いですね。

先日、「白鳥の湖」をテーマにした時は、生徒さんから歴史の話が出てきたり、バレエの世界について語り合ったり…。
毎回、お互いの感性を刺激し合える楽しい場になっています。

もちろん、そのテーマに興味が持てない方は、ご自身の好きなようにブーケを作ってもOK。
何より自分の感性を大切にして、花と触れ合っていただきたいと思っています。

花と向き合ううちに、人も少しずつ変わっていくんです

――生徒さんは、どんな方が多いのでしょうか?

Kazuko:
30代から80代の女性が多いのですが、KOLMEは年齢も性別も国籍も関係なく、どなたでもご参加いただけるスクールなので、いろんな方が来て下さいます。
最高齢は83歳の方です。

Michiko:
子育てが少し落ち着いて、ご自身の人生に向き合いたいというタイミングで始められる方も多いですね。

純粋に花が大好きで、アレンジメントを学びたい方はもちろん、「自分を表現したい」「毎日をもっと輝かせたい」「心を癒やしたい」など、さまざまな思いを叶えるひとつの方法として花を選んだ方が来て下さっているんだなと感じています。

――印象に残っている生徒さんのエピソードを教えて下さい。

Kazuko:
30代前半の女性の生徒さんが印象に残っています。
トライアルレッスンでは、ご希望や状況をお聞きする時間を取るのですが、ちょうど人生の転機で悩まれていて
涙ぐまれる場面があったんです。
自分の選択に自信が持てず、将来への不安を抱えていらっしゃったのだと思います。

でも、レッスンを重ねるごとに少しずつ変化が現れ、ご自身の感覚を信じられるように。
2年後には、見違えるように表情が明るくなって、自分の道を、自信を持って歩まれるようになりました。
「一皮むけた」という表現が、ぴったりでしたね。

この生徒さんのように、レッスンで花と触れ合ううちに、「自信を持てた」「自分を好きになれた」と言って下さる方が多くいらっしゃいます。

KOLMEは、訪れるたびに特別な気持ちになれるサロンへ進化していきます

――お二人の、これからの目標を教えて下さい。

Kazuko:
KOLMEを「ふと訪れたくなる、けれど、いつも特別な時間が流れるサロン」にしていきたいです。

「何か」を求める人が、自然に足を運びたくなるような場所。
そして、心が満たされたい時や新しい刺激が欲しい時に、「あ、KOLMEに行こうかな」と思っていただけるような場所。

訪れるたびに特別な気持ちになり、新しい美しさや感性を発見できる。
KOLMEをそんなサロンに進化させていけたらと思っています。

一緒に音楽を聴いたり、ブーケを束ねたりしながら過ごす中で、素敵な人との出会いがあったり、生き方のヒントを見つけられたりする……。
KOLMEが皆さんにとって、そんな場所になれたら嬉しいですね。

最近は、パリスタイルに日本の美意識を融合させた新しい表現も模索しています。
今までにない日本独自の美を創造していきたい。
そんな思いで、今も年に一度は姉妹でパリに滞在し、最新のトレンドを吸収しています。

Michiko:
私は人の話を聞いて、その方の強みや可能性、理想とする姿を見つけ出し具体的な形にしていくことが好きなんです。
KOLMEでもそういった関わりを大切にしていけたらと思っています。

私たちふたりの感性や美意識を磨きながら、二人三脚で新しい世界を切り開いていきたいですね。